<レンジャーズ4-9エンゼルス>◇2日(日本時間3日)◇グローブライフパーク
【アーリントン(米テキサス州)2日(日本時間3日)=四竈衛】傷心のエンゼルスが、亡き左腕に勝利を届けた。大谷翔平投手(24)が所属するエ軍が、タイラー・スカッグス投手(享年27)の急死から一夜明けたこの日、レンジャーズに逆転勝利を収めた。スタメンから外れた大谷は、代打で右前打。涙を流して戦い、惜別の白星を贈った。
【写真】試合前、電光掲示板に映し出されるスカッグス投手を前に黙とうするエンゼルス大谷
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逆転勝利をつかんだエ軍ナインは、出迎えたオースマス監督らと、無言のまま固く抱き合うしかなかった。無事に試合は終わった。スカッグス投手の悲報からわずか1日。いつもは満面の笑みを浮かべる大谷も伏し目がちなまま、足早にクラブハウスへ足を向けた。
本来は、エ軍ナイン全員がグラウンドに立てる心理状態ではなかった。前日午後に訃報が伝わり、試合は中止された。一夜明けても実施は未定だった。ただ、エ軍全員がプレーすることで一致した。
メンバーを補充せず、24人で挑んだ。左胸には背番号「45」のバッジ。ベンチにはユニホーム。マウンドにも「45」と描かれた。試合中でも涙をこらえきれずプレーする選手が続出した。試合後、主砲トラウトはおえつ交じりに言った。「今日、プレーすることは困難だった。でも、スカッグスはあと1日休むことを望んでいないはずだから」。09年ドラフトの同期入団。むせび返すリーダーの涙声に、後列で見守っていた大谷もこらえ切れず、目を伏せるしかなかった。
あまりに突然の悲報に、だれもが言葉を失った。この日午後、大谷はエ軍広報を通してコメントを発表した。
「昨年、エンゼルスに入団以来のチームメートで親しかったスカッグス投手が突然亡くなられた悲しみの中、発する言葉もありません。今はただただ同投手のご冥福を心からお祈りしております」
スタメンから外れたものの、8回に代打で出場。粘った末の9球目、懸命に腕を伸ばし右前打した。黒のアンダーシャツ姿で、天に召された兄貴分へ、今、できる限りのプレーを披露した。
この日の勝利でエ軍は勝率5割に戻ったものの、プレーオフ進出への道は簡単ではない。8回にダメ押しの2ランを放ったカルフーンは、目を真っ赤にしながらも声を絞り出した。「我々のことをエンゼル(天使)が見守ってくれていることは分かっているから」。
心身ともに困難な状況、悲痛な思いは、そう簡単には変わらない。ただ、大谷とエ軍ナインにとって、予期せぬ悲報が新たな出発点となるのかもしれない。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190703-07030670-nksports-base
2019-07-03 10:01:00Z
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