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ハミルトン優勝、ソチに強いメルセデスが1-2 | ロシアGP | F1ニュース - ESPN F1

© Mark Thompson/Getty Images

ソチ・オートドロームを舞台に29日(日)、2019年FIA F1世界選手権第16戦ロシアGP決勝が開催され、ルイス・ハミルトンが逆転優勝を果たし、バルテリ・ボッタスが2位に入ってメルセデスが1-2を達成した。

ソチの週末を通してフェラーリが速さを示し、予選ではシャルル・ルクレールが0.4秒以上のリードを築いて圧巻のポールポジションを獲得。ハミルトンがフロントローをもぎ取り、セバスチャン・ベッテルとボッタスが2列目からスタートしている。予選トップ10に入ったドライバーのうちミディアムタイヤで第1スティントを走ったのはメルセデスの2人だけ、それ以外はソフトタイヤを履いた。

予選4番手だったレッドブルのマックス・フェルスタッペンはエンジンコンポーネント交換に伴うペナルティで9番グリッドに後退しており、同じくHonda製パワーユニットを使うトロ・ロッソのピエール・ガスリーも最新スペック4のICEを投入したため、5グリッド降格処分を受けて16番手からスタートした。僚友ダニール・クビアトは複数のエンジンコンポーネントを最新スペックに交換したため後方グリッドに並ぶ予定だったこともあり、土曜フリー走行で発生したトラブルにより追加のパワーユニット交換が必要となった結果、予選には参加せずに交換作業を優先している。

レッドブルのアレキサンダー・アルボンは予選Q1でクラッシュを喫してさらにコンポーネントを追加したほか、ギアボックスとフロアなどマシンパーツも交換してレースに挑むことになり、ピットレーンからのスタートを余儀なくされている。

全長5.848kmを誇るソチ・オートドロームの一戦は53周で争われ、若干の雲はありながらも青空が広がる中、気温21.8度、路面温度34.8度、湿度67.6%のドライコンディションでスタート時刻を迎えた。ピレリがC2からC4のドライタイヤを持ち込んだロシアGPはミディアムもしくはハードのいずれか1セットを使用することが義務付けられている。

シグナル消灯と同時にルクレールが好発進を決めるも、同様に見事なスタートを決めたベッテルがハミルトンを追い抜き、ルクレールのスリップストリームに入ってサイド・バイ・サイドに持ち込んだ後、リードを奪取する。後方ではハースF1のロマン・グロージャンが追突されてクラッシュを喫し、オープニングラップでセーフティカー出動の事態に至った。

グロージャンはスタート後にポジションを落とし、アルファロメオ・レーシングのアントニオ・ジョビナッツィとルノーのダニエル・リカルドとポジションを争っていたが、3台が並んで進入したターン4でそれぞれが交錯し、右リアタイヤがアルファロメオ・レーシングのマシンにぶつかったグロージャンはサスペンションを傷め、コースを飛び出してウオールに衝突。リカルドは左リアタイヤにパンクチャーを抱えたものの、レースは続けられている。

セーフティカー導入のタイミングでウィリアムズのロバート・クビサがピットに入り、スロー走行でなんとかピットにたどり着いたリカルドもタイヤ交換を済ませて隊列に復帰した。ジョビナッツィはフロントウイングにダメージがあったようで、ノーズとタイヤを履き替えている。グロージャン、ジョビナッツィ、リカルドがからんだ一件はレーシングインシデントと判断され、スチュワードは審議の必要なしとした。リカルドはしばらくレースを続けていたものの、ダメージがひどかったようで折り返し地点を前にピットにマシンを入れて戦線離脱した。

一方で、アルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンにフライングの嫌疑がかかり、ジャンプスタートだったことが確認された後、ドライブスルーペナルティが科せられている。

4周目を前にセーフティカーが解除され、迎えたリスタートで上位勢のオーダーが変わることはなく、ベッテルを先頭にルクレール、ハミルトン、カルロス・サインツ(マクラーレン)、ボッタスが5番手につけていたが、DRSが有効となってほどなく、ボッタスがストレートでサインツをオーバーテイクした。

また、フェラーリの無線ではルクレールに対して「次のラップでセバスチャンが道を譲ってくれる」とのやり取りがなされていたものの、ベッテルはチームの要請に従わずリードをキープしており、ルクレールは「僕を後ろに置くってことだね。全部、リスペクトするよ。あとで話そう」とメッセージを送る。ただ、フェラーリが「ハミルトンが接近しているため、レース後半にポジションを入れ替える」旨をルクレールに伝え直したところ、ルクレールは「状況は理解している。問題ないよ」と返している。

チームオーダーが検討されていたフェラーリだが、ベッテルはルクレールよりも好ペースを発揮しており、ファステストを連発してリードを広げ、15周目に入る頃にはルクレールに3.7秒近いギャップを築いていた。ルクレールと3番手のハミルトンは3.2秒ほどの間隔があり、ハミルトンから7.7秒後方にボッタスが控える格好だ。

17周目にルノーがニコ・ヒュルケンベルグをピットに呼び入れるも、左フロントタイヤの脱着に手間取ってしまい、入賞圏内を走っていたヒュルケンベルグは17番手の位置でコース復帰することになった。ヒュルケンベルグは第2スティントにミディアムタイヤを選んでいる。

フェラーリがピットストップのタイミングを図る中、ひとつ硬いコンパウンドを履くハミルトンは第1スティント延長の指示を受けるも、デグラデーションに苦しみ始めた様子をうかがわせ、一時は3秒以下に縮まっていたルクレールとのギャップも再び3.2秒に広がっていた。とはいえ、ハミルトンはフェラーリ勢に比べると速いラップタイムを刻んでおり、その後、持ち直した様子でラップ辺りコンマ数秒を稼いでルクレールに接近している。

フェラーリが動いたのは23周目に入るタイミングだ。先にルクレールをピットインさせ、新しいミディアムタイヤを履かせて送り出す。2.6秒差でルクレールを追いかけていたハミルトンには長めに引っ張ることを伝えるメッセージと共に「集中していくように」とのコメントももたらされた。この時点でステイアウトしていたベッテルと2番手に上がったハミルトンのギャップは6秒だ。

ボッタスから9秒強後方、フェルスタッペンの13秒前で隊列に復帰したルクレールはフレッシュタイヤの利点を生かしてペースアップに励み、1分37秒705のファステストを刻んで猛チャージをかける。ベッテルのペースと比較すると1.3秒ほど速く、アンダーカットを成功させようとプッシュしていた。

チームメイトに遅れること4周、ベッテルがミディアムタイヤに交換してピットアウトした時にはルクレールが3秒ほど先行しており、ベッテルは再びオーバーテイクすることを目指して第2スティントをスタートさせるも、MGU-Kに不具合が見つかったとのことで、フェラーリはベッテルにマシンを止めるよう指示を出した。

これによりバーチャルセーフティカーが発令され、その間に多くのドライバーがピットストップを敢行。2台のギャップが開いていたメルセデスはハミルトンとボッタスのダブルストップに臨み、ハミルトンをルクレールの前でコース復帰させることに成功した。メルセデスが2人に用意したタイヤはユーズドのソフトだ。

バーチャルセーフティカーが解除された直後、ウィリアムズのジョージ・ラッセルがタイヤをロックアップさせてコースを飛び出し、ウオールに直進してクラッシュを喫したため、セーフティカーが導入されることに。バーチャルセーフティカー中にピットに入らなかった面々もこのタイミングでタイヤ交換を済ませ、5番手まで上がっていたアルボンはスーパーソフトに履き替えて10番手でコースに戻っている。

さらに、メルセデスのタイヤ戦略を見たフェラーリがルクレールをもう一度ピットに呼び入れ、ミディアムからユーズドのソフトタイヤに交換。ルクレールはひとつポジションを落としたものの、ボッタスの後方3番手を確保しており、4番手にミディアムに履き替えたフェルスタッペン、サインツ、ケビン・マグヌッセン(ハースF1)、ランド・ノリス(マクラーレン)、セルジオ・ペレスとランス・ストロールのレーシング・ポイント勢、アルボンがトップ10に並んでいた。

32周目の終わりにセーフティカーが解除され、リスタートでオーバーテイクを狙うルクレールをボッタスが華麗に防御してメルセデスが1-2態勢を盤石のものとする。フェルスタッペンが加速中にタイヤをロックアップさせてしまったが、ポジションは守って4番手をキープしている。

少し後方ではレーシング・ポイントの2台をかわして8番手に上がっていたアルボンがコース上でノリスのオーバーテイクを成功させ、7番手に浮上。いったんはアルボンに反撃してポジションを取り戻したノリスだったが、再び追い抜かれた際にペレスにも先行を許して9番手に後退した。

ポイント圏外ながら接近戦を繰り広げたのはトロ・ロッソの2台。クビアトとガスリーが12番手を争って激しい攻防を続け、クビアトに追い抜かれたガスリーが逆襲に打って出ようとしたところ、ブレーキングでチームメイトに近づきすぎてしまい、コースを飛び出して接触を回避。その間にライコネンに前に行かれてしまい、クビアトが12番手、ライコネンをはさんでガスリーは14番手でレースを続けた。

先頭を走るハミルトンはボッタスがルクレールを抑え込んでいる間にリードを広げ、37周目には1分36秒台に入れてファステストラップを記録、ボッタスとのギャップを3秒に拡大している。チームプレーに徹するボッタスは巧みにルクレールの攻撃を退けており、圧倒的なストレートライン速度を誇るフェラーリを苦しめさせた。

トップ4のオーダーに変化がない一方、フェルスタッペンに18秒遅れの5番手を走っていたサインツから後ろでは終盤にかけてポジションの入れ替わりが激しく、レッドブルを駆るアルボンがオーバーテイクを連発して6番手までポジションを上げたほか、ペレスも7番手に上がり、マグヌッセンが2台に抜かれて8番手に後退している。マグヌッセンはターン2でコースを離脱したとして5秒のタイムペナルティを受けてしまい、この時点で入賞圏外に脱落する危機に直面していた。

マグヌッセンから2秒弱のところにはノリスが9番手に陣取っていたが、柔らかいコンパウンドのアドバンテージを生かすヒュルケンベルグが接近し、DRSゾーンをキープしながら追い抜きのチャンスをうかがった。もう1台のマクラーレンをドライブするサインツも急接近したアルボンからプレッシャーを受け、8周分古いタイヤを履くサインツはほとんど抵抗できずに5番手の座を明け渡している。

ハミルトンが1分35秒761を刻んでファステストラップを更新した後、残り2周となってルクレールが1点でも多く手に入れようとファステストラップを狙ったが、自己ベストにとどまりハミルトンのタイムを上回ることはできなかった。

十分なリードを築いてファイナルラップに入ったハミルトンは慎重にマシンを操って最終コーナーを立ち上がり、トップでチェッカーフラッグを受けた。3.8秒遅れでボッタスが2位フィニッシュを果たし、ルクレールは3位で表彰台に上っている。ロシアではこれまでもメルセデスのドライバーがすべてのレースを制しており、ハミルトンの勝利でその記録がさらに更新されることになった。

フェルスタッペンとアルボンが4位と5位でゴールし、ピットスタートだったアルボンが素晴らしいパフォーマンスでトップ5入りを達成している。他に、サインツ、ペレス、ノリス、マグヌッセン、ヒュルケンベルグが入賞を果たしてポイントを獲得。マグヌッセンは8番目にチェッカーを受けているが、5秒ペナルティが加算されて9位に後退している。

トロ・ロッソはクビアトが12位、ガスリーが14位で完走を果たした。

次戦は鈴鹿サーキットが舞台のシーズン第17戦日本GPだ。初回セッションとなる金曜フリー走行1回目は10月11日(金)日本時間10時に開始されることになっている。

© ESPN Sports Media Ltd.

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2019-09-29 13:02:17Z
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