時事通信社
大型で非常に強い台風19号について、気象庁が10月11日に記者会見を開いた。台風19号は、非常に強い勢力を保ったまま12日に東海地方または関東地方に上陸する見込みで、死者・行方不明者1200人以上の被害が出た「狩野川台風」に匹敵する記録的な大雨となる恐れもあるという。
狩野川台風とは?
狩野川(かのがわ)台風は、1958年9月27日に神奈川・三浦半島に上陸した大型で猛烈な台風。
風による被害は少なかったが、東海地方と関東地方で大雨となり、土砂災害や河川の氾濫が相次いだ。
静岡県・伊豆半島中部では特に集中して雨が降り、大量の水が流れ込んだ狩野川が氾濫。伊豆地方だけで1000人以上が犠牲になった。
また、神奈川県や東京都でも市街地の浸水やがけ崩れなどが発生し、全国で死者888人、行方不明者381人、負傷者1138人の甚大な被害が出た。
住家全壊は2118棟、半壊は2175棟にも上ったという。 床上浸水の被害は13万2227棟、床下浸水は38万9488棟に及んだ。
「進路や勢力が台風19号と似ている点がある」
気象庁によると、台風19号の影響で、伊豆や関東地方では土砂災害が多発し、「狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となる恐れもある」という。
会見した梶原靖司予報課長は、狩野川台風を例に挙げて警戒を呼びかけた理由について、「(台風19号で)予想される現象あるいは災害の程度が著しいということから例示した」と説明。
また、「狩野川台風がとった進路や勢力、あるいは北上のスピードなども(台風19号と)似ている点がある。あるいは台風の大きさなども含めて」とし、「そういった類似性も高いため、説明に用いる判断をしたところです」と語った。
「早め早めの避難や安全確保をお願いしたい」
気象庁によると、台風19号は12日(土)に東海地方または関東地方に上陸する見込み。暴風や高波に加え、関東地方を中心に記録的な大雨となる恐れがある。
気象庁の発表資料より
気象庁は、「全国的に暴風、うねりを伴った高波、土砂災害、低い土地や地下施設の浸水、河川の増水や氾濫・高潮や、高潮と重なった高波による浸水や沿岸施設の損壊」などに厳重に警戒するよう呼びかけている。
落雷や竜巻などの激しい突風、交通障害や農作物の管理、停電、塩害などにも留意してほしいとし、「自分の命、大切な人の命を守るため、風雨が強まる前に、夜間暗くなる前に、市町村の避難勧告などにしたがって、早め早めの避難や安全確保をお願いしたい」と呼びかけた。
最新の気象警報・注意報は、気象庁の公式サイトから確認できる。 また、台風19号に関する情報は、気象庁防災情報のTwitterアカウントでも発信していくという。
【 #狩野川台風 に匹敵する大雨】 昭和33年の狩野川台風(伊豆に加えて関東地方でも土砂災害や河川の氾濫が多発)に匹敵する記録的な大雨となるおそれも。大雨災害で命に危険が及ぶおそれがある場所では、大雨特別警報の発表を待つことなく、暴風となる前に早めに自ら避難の判断を。(続く) pic.twitter.com/c2T9XXy9pk
— 気象庁防災情報 (@JMA_bousai) October 11, 2019
2019-10-11 05:36:55Z
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