NBAデビュー戦は、どんな選手にとっても特別な試合だ。ワシントン・ウィザーズのヘッドコーチ、スコット・ブルックスの、選手としてのNBAデビュー戦は今から31年前だったが、それでも当時のことを未だによく覚えているという。
「よく覚えている。前の晩、眠れなかった。ジミー・ライナム(ブルックスが所属していたフィラデルフィア・セブンティシクサーズの当時のヘッドコーチ)が僕をカットしなかった愚かさに驚き、でも、とても嬉しかった。試合ではフィールドゴールは決めなかったけれど、フリースローを4本中3本決めたんだ」
八村塁は、31年前のブルックスとは違い、前の晩は普通に眠りについたという。デビュー戦の10月23日のダラス・マーベリックス戦でスターターに抜擢されることは前の日からわかっていたが、それも睡眠を妨げることはなかったのだという。それでも、楽しみにしていた気持ちは同じだった。
「僕は(眠れないということは)なかったですね。すごい楽しみにしていて。きょう起きて、すごい楽しみで。こうやって試合に入れて、満員の会場でやれたので、すごいよかったです」と、デビュー戦後に振り返った。
ルーキーらしからぬ落ち着きぶり。
プロ初得点は試合開始から2分36秒たったところで、あっさりと決めた。ブラッドリー・ビールからのロングパスを受け、ドリブルインしてゴール下シュートを決めた。
「ブラッド(ビール)がいいパスをしてくれたので。ゴールも空いていたので、そこに向けて普通に行きました」と、まるで当たり前のこととばかりに語ったが、実際にはノーマークの簡単なシュートだったわけではなかった。
ベースラインでボールをキャッチすると、一瞬の隙を突いて素早い動きで身長221cmのクリスタプス・ポルジンギスの前に回り込み、さらにはカバーに出てきた209cmのマキシ・クリーバーをかわしてのシュート。プロ最初のシュートとは思えない、落ち着いたプレーだった。
「ルイは初戦からポルジンギスとのマッチアップで、まさに『NBAへようこそ』といった感じだったね。でも、うまく対応していたと思う」と、ビール。
ブルックスHCも、「思っていた通りに、とても落ち着いてプレーしていた」と、ルーキーらしからぬ落ち着きを見せていたことを一番にあげた。
https://number.bunshun.jp/articles/-/841256
2019-10-26 06:00:00Z
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