26日に都内で行われる「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、大学NO・1スラッガーの近大・佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)は、複数球団の1位指名が確実だ。ドラフト前日の25日にソフトバンク、巨人が1位指名を公表。オリックスは既に公表しており、阪神、西武も指名が有力。大学生野手の最上位指名(外れ1位除く)で4球団競合なら80年東海大の原辰徳(巨人)、5球団なら79年早大の岡田彰布(6球団=阪神)以来となる。

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運命の日を目前に控えても、佐藤は普段通りにバットを振った。フリー打撃では秋空へ向かってアーチを連発。この日、ソフトバンク、巨人が1位指名を公表。オリックスと合わせ既に3球団競合が確定。阪神、西武も1位の有力候補に挙げ、ドラフト史に残る争奪戦を展開する可能性がある。「別に緊張することはない。ワクワクはしていますね」とこの状況を楽しんでいる。午前の練習中にソフトバンクが1位を公表し「評価してもらえたので、それはうれしい。層がむっちゃ厚い。施設もすごい。日本で一番強いくらいのチーム」と感謝した。

練習が休みだった24日に立命大が同大に敗れ、18年秋以来3季ぶり47回目のリーグ優勝が決まった。「ずっと携帯を触っていたので。優勝を目指してやってきたのでうれしい」と喜んだ。18年秋以来2度目の最優秀選手にも選ばれた。10試合で打率2割5分7厘、3本塁打、11打点。「打率が低いから」と本人は選ばれるとは思っていなかったが、本塁打を放った3試合はすべて勝利。勝負強さだけでなく、通算14号本塁打でリーグ新記録をつくり、在阪テレビ局がネット中継するなど、世間の注目を集めた功績は大きかった。「今日、散髪に行こうかなと思います」。12球団OKのスラッガーは、自然体で運命の日を待つ。【石橋隆雄】

◆競合多数の抽選 過去最多は89年野茂英雄(新日鉄堺)90年小池秀郎(亜大)の8球団。野手の最多は95年福留孝介(PL学園)17年清宮幸太郎(早実)の7球団。大学生の野手で外れ1位を除く入札1回目の4球団以上は、79年岡田彰布(早大=6球団)80年原辰徳(東海大=4球団)の2人しかいない。