パーティーでは、にぎやかで社交的な人が目立つ。ゲーム、歌、ダンスなど、何でも参加したがる冒険家タイプだ。一方、用心深い人は注目を避け、壁の花と言われるように、後ろの方にいることが多い。
動物についても、こうしたタイプの性格があることが明らかになっている。昆虫から鳥、タコ、霊長類まで、さまざまな動物の性格を研究したところ、どの集団にも慎重な個体と大胆な個体が存在した。
こうした違いは、個体が生き残る能力に影響を及ぼしうる。たとえば、餌や繁殖相手を探す際、冒険的な方が有利なことがある。ゼブラフィッシュをはじめとするいくつかの種では、大胆な個体の方が、相手を見つけて繁殖を成功させる確率が高かった。反対に、慎重派が有利な場合もある。危険に直面しにくく、その結果、より多くの子孫を残せるためだ。
そしてこのたび、イタリアのアランチ湾に暮らす野生のハンドウイルカ(Tursiops truncatus)にも、大胆派と慎重派がいることを科学者が発見し、学術誌「Animal Behaviour」の5月号で論文を発表した。
例えば、餌を探すときなどは、群れにとって、大胆なイルカは特に有益かもしれない。社交的な個体は重要な社会情報を群れの中で広める役割を担うことができる。重要な社会情報とは、餌を得るチャンスに関する情報などだ。
「飼育下に置かれたイルカの研究では、このような性格があることはすでにわかっていましたが、それはイルカにとって本来の生活ではありません」と、研究を行ったスペイン、ポンテベドラのハンドウイルカ研究所の行動生態学者、ブルーノ・ディアス・ロペス氏は話す。「今回新たに、野生のイルカにも性格があり、私たち人間と同様、彼らの社会システムで重要な役割を担っていることがわかりました」
ディアス・ロペス氏の分析では、社交的なイルカは慎重なイルカより強固な社会的関係を持つことが判明した。ほかの種でも同様の研究結果が示されているが、水槽に入れた魚など、これまでは管理された条件下での研究結果しか存在しなかった。
「これらの予想されていた関連性を実際の野生の環境で実証したという点で、この研究は称賛に値します。野生環境下でのデータ収集はとても大変なことです」と、イスラエル、テルアビブ大学の行動生態学者オー・シュピーゲル氏は第三者の立場で評価している。
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