3月から臨時休校が続いていた近畿圏の多くの学校が全学年で授業を再開した6月1日、大阪市や神戸市では給食も再開された。今後も各地で順次再開されるが、品数は少なく、前を向いて黙々と食べるなど、感染防止に神経をとがらせる形に。友達とにぎやかに囲んだ「給食の時間」は一変した。
配膳は教諭担当
大阪市立中野小(大阪市都島区)の6年生はこの日、間隔をあけた配置で、黙々と給食を口に運んだ。
午前に登校した児童らは授業が終了した後に食べ、その後登校した児童らは、給食を食べてから授業を受けた。おかずをよそう役割は給食係の児童ではなく、担任の坂田貴優教諭(34)が担った。
「普段はもっとワイワイするんですけどね」と坂田教諭。食事中は私語を慎むよう伝えたといい、「楽しく食べさせたいが、何かあったらと心配もある」。
献立はサツマイモ入りパンとすき焼き煮、牛乳の3品。普段はもう2品程度の副菜に、デザートが付く日もあるが、感染防止のためパンは個包装、品数も減らした。それでも男子児童(11)は「学校で一番楽しみなのが給食。気にならないくらいうれしい」と笑顔を見せた。
神戸市立中学校も1日から、給食の提供を開始。事前に申し込んだ生徒が民間事業者が配達した弁当を食べる形式で、調理や配達を行う事業者には感染予防の徹底を求めた。この日の献立は、ポークビーンズ▽かぼちゃときゅうりのサラダ▽ハタハタのから揚げ▽ごはん▽牛乳-だった。
多くは来週から
ただ、多くの学校で給食が再開されるのは今週以降だ。「給食時間帯は児童・生徒が最も密になり感染リスクも高まるため、分散登校中の給食見送りの要望は学校現場から多く寄せられていた」と明かすのは、和歌山市教委の担当者。12日までは分散登校で、給食は15日から再開する。
再開には、感染予防策が不可欠だ。ほぼすべての学校で、従来のような対面方式は当面控え、全員が前を向いた状態で食事。無言で食べ、食べ終わったらすぐにマスクをするよう指導する。8日から再開する京都市立小中学校では、「いただきます」のあいさつはマスクをつけた教員だけが発声、児童生徒は無言で会釈するという。
栄養ある献立を
大阪市のように、配膳での感染リスク抑制のためメニューを簡素化する自治体も多い。15日から給食を再開する奈良市立小中学校は、最初の1週間はカレーとデザートなどのシンプルな献立に。1学期中は品数を減らし、9月から通常献立に戻す予定だ。
同市は夏休みを2週間短縮予定で、子供たちは8月も登校し、給食を食べる。同市保健給食課の担当者は「教室内は換気のため冷房が効きにくいので、夏バテをしないよう栄養のある献立を考えたい」。
今月9日に再開する神戸市立小も同12日までは、パンと牛乳、デザートといった簡易メニュー。配膳の経験がない1年生のために盛り付けが不要なものにしたといい、15日以降は通常献立となる。同市健康教育課の担当者は「休校中に栄養バランスに偏りが生じていることも懸念される。十分な栄養がとれる給食を提供したい」と話した。
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June 08, 2020 at 04:50AM
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