学び:地元コミュニティの理解がクラブ活動を円滑に進めるカギであること。
気づき:クラブ側の方針が関係者の食事に対する選択の自由に介入できるのか。
今回は、フォレストグリーン・ローヴァーズFCが選手やスタッフ・来場者(ホーム&アウェイのファン)に提供する食事について書いていこうと思います。
フォレストグリーン・ローヴァーズFC
フォレストグリーン・ローヴァーズFC(以下:ローヴァーズ)は、Football League2に所属しているイングランドの小さなフットボールクラブです。よくイングランドプレミアリーグに目が行きがちですが、このクラブの目立つ活動は、ピッチ外の活動にあります。
2010年より、全てのクラブ活動を通じて使われるエネルギーを自然エネルギーにし、地球温暖化問題解決に取り組んできました。そして、FIFA(国際サッカー連盟)から、”世界で最も緑なフットボールクラブ”と呼ばれてきました。また、2018年ローヴァーズは『二酸化炭素排出を抑えた地球に優しいフットボールクラブ』としてUN(国際連合)によって公認されました。
世界で初のヴィーガンクラブ
2011年より、ローヴァーズは魚製品、肉製品、乳製品を含む全ての食品の販売を停止しました。スタジアムでよく目にするハンバーガーやホットドックの販売を停止し、コーヒーなどに使われるミルクも全て豆乳・麦乳に代替されました。さらに、クラブオーナーでありヴィーガンでもあるDale Vinceのビジョンとしては、卵とはちみつもローヴァーズが提供する食事から除外すことです。
ローヴァーズがこの決断をした3つの理由
1、家畜によるメタンガス排出が地球温暖化を促進する1つの要因になっている
地球温暖化が進む1つの要因として、家畜の出すゲップやおならに含まれるメタンガスがあげられます。
国連食糧農業機関(FAO)は、人為的メタン排出のうち37%は家畜に起因すると見ている。家畜、特に酪農(牛)から排出される一日に100~200リットルと言われるゲップ(メタンガス)はCO2の21倍の強力な温暖化効果があるだけに深刻なのだという。 (NPOローハスクラブより抜粋)
2、選手のパフォーマンス向上につながる
ローヴァーズの選手へのインタビューでは、
ヴィーガン食に変えてから、より多くのエネルギーを得たと感じるし、練習後の疲労回復スピードが速くなった。さらにスタミナも改善したよ。Reuben Reid選手
ヴィーガン食はローヴァーズの選手のパフォーマンス向上に貢献していると伺えます。
さらに、この動きはローヴァーズの選手たちだけに留まりません。FCバルセロナのリオネル・メッシ選手、マンチェスター・シティのセルジオ・アグエロ選手はシーズン中に肉製品を一切食しません。また、テニスのウィンブルドンのファイナリストであるビーナス・ウィリアムズをはじめ、各スポーツでトップ争いをしている多くの選手たちがヴィーガン食をパフォーマンス向上のために選んでいます。
ローヴァーズのオーナーであるVince氏はデジタルメディア上で、
選手のパフォーマンス向上だけではなく人々の良い健康において、パフォーマンス向上するための方法やより良い情報、そのメリットとなる科学的な根拠を探している人々が多くいる。
彼は、とてもヴィーガン食が人気になる可能性を感じているようですね。
3、ファンにより健康的で美味しい料理を提供する
ローヴァーズは、実際にヴィーガンメニューを食したことがない人や精通していないファンに向けてヴィーガンメニューの実食会を行いました。実際に今まで一度も食したことがなかったファンから高評価を多くもらっており、自身の家庭でも試してみたいとの声が多くありました。
実際に2017年の ’British Pie Awards’ のベジタリアンパイ部門において、参加者40名の中で最優秀賞を勝ち取りました。味の保証はバッチリということですね。
(Forest Green Rovers FC, nd)
健康面でBBCは、赤身肉やその加工品には発がん性リスクがあるとWHOが示している(下グラフ)と報じました。
どのくらいの発がん性があるのかまではここでは触れませんが、興味のある方はこちらから図をご覧ください。タバコとの比較が図で表されています。
このような3つの理由でローヴァーズは提供する全ての食事をヴィーガンメニューに変えました。
全ての人が賛成しているわけではない
Vince氏がこのクラブオーナーになって選手やスタッフに対して「赤身肉やそれを含む製品を食すの禁止!」とし、2015年にはクラブ全体でヴィーガンフットボールクラブとしてこのルールが全体に適応されました。
多くのローヴァーズファンや選手に受け入れられてきましたが、未だにヴィーガンメニューへの変更に対して疑問を持つ選手やファン、相手チーム関係者が多くいます。多くはヴィーガンメニューが選手のパフォーマンス向上にはつながらないと主張する選手やスタッフ、ヴィーガンメニューは美味しくないと主張するファンです。特に相手のファンや選手・スタッフからの反対意見が多く、メディアも多く取り上げています。
そもそも、基本的人権に基づいて人々には「赤身肉を食べる」という選択の自由があります。このヴィーガンであるオーナーが、そういった彼らの倫理的選択に介入しても良いのか・できるのか?という疑問が浮かび上がります。
一方でINDEPENDENTによると、『ヴィーガン』という言葉がこの問題を引き起こしているのではないかと報じています。今はかなり改善されましたが、多くの人のイメージでは『ヴィーガンメニューは美味しくない・外食する際にメニューとして扱っている店が少なく不便』とマイナスの印象が多くあります。
単純にヴィーガンという言葉に惹かれて注文するのではなく、美味しいから注文しますよね。そのため、いきなりヴィーガンという名前を押し出してもヴィーガンに対する偏見も持っている人やイメージが湧かない人々からすると急なオーナーによる変更に対して反対することは自然なことです。
さらに、チーム側の選手・スタッフに求めるルールが曖昧である可能性があります。チームの方針に対して選手・スタッフの理解にズレが起こっています。実際に、チーム活動外に選手が肉類を食べているところが撮影され、問題になりました。
ヴィーガンに対する考えを変えるためのクラブ活動
ローヴァーズではこういったヴィーガンに対する考えを変え、クラブ活動を認知してもらうためにLittle Green Devilsを設立し、地元のコミュニティや小学校に食事を提供するケータリング業者と連携した活動を行なっています。
イギリス全土にある8,000校以上にヴィーガンフード提供してきました。それだけにとどまらず、大学やインターナショナルスクールへと足を伸ばしています。さらに、フェスや公園でヴィーガンフェアとして地元コミュニティへの活動も行なっています(下紹介動画)。
(Forest Green Rovers FC webより)
ヴィーガンに対して反対する最も多くの理由が、そのものに対する考え方の偏り・知識不足にあります。それを解決するためにローヴァーズは積極的に地元コミュニティへのイベントに参加したり、UK全体の子供たちへヴィーガン食を提供し、実際に味わってもらう活動をしています。
最後に
今回は、ヴィーガンフットボールクラブとして知られるフォレストグリーン・ローヴァーズFCの根幹である食事について書きました。
クラブの政策として一貫性のある活動をしている中で、まだまだヴィーガンに対する考え方の変化、そういった人々のクラブに対する理解が必要である現状を書きました。クラブは実際に地元コミュニティや子供達に向けたヴィーガンに対する考え方やクラブ活動への理解を促す政策を実施しています。
皆さんがスタジアムでスポーツ観戦する際に、ヴィーガンメニューしか扱っていないことにどう感じますか? 様々なコメントをお聞かせください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Reference
"フットボール" - Google ニュース
November 02, 2020 at 06:23AM
https://ift.tt/35VGKvG
Part2:世界で最も緑なフットボールクラブ|Yuto|note - note
"フットボール" - Google ニュース
https://ift.tt/3a0hmpL
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